2008年5月の記事

コイズミさんの音楽本

2008-05-30 金曜日

koizumi2.jpg

 コイズミさんが音楽の本を出した。
コイズミさんって、ほら、メリケン国でブッシュ大統領の前でプレスリーの真似し歌った、あのニッポン国の首相だった小泉純一郎さん。
新書版で、タイトルは「音楽遍歴」だって。もちろん実際に書いたわけでなく、語ったのをうまくまとめたもの。
プレスリーばかりかと思ったら、案外なクラシックファンなのだ。 それもヴァイオリンコンチェルトから、シンフォニー、オペラへと続く相当マニアックな遍歴だ。そしてオペラが最高! なぜってオペラのテーマは愛だからってね。

しかしマニアとはいえ、演奏家がどうの、再生装置がどうのなんてそんなことはどーでもいいと、通俗的なツウぶるマニアとは違って、あっさりさっぱり。好きなものは好きなんだとね。で、おもろいことも言ってます。
曰く、歌舞伎は日本のオペラである。とりわけ、十八番の勧進帳は、まったくオペラそのものだ。不思議なことに、この両者は16世紀末ごろにほとんど同時に世界の東西で生まれたのだ、と。(もちろんネタ本あっての話だが)。そうか!と思わず膝を打ったものだったった。
後はプレスリー、パット・ブーン、演歌と、ボクらも知ってるあの世界をまあ実によく語ってる。
トドメはプレスリー。なんとコイズミ選曲・解説ライナーノート付きのプレスリー選曲集CDなんてのが、いつの間にか出ているのだ。

それにしてもこの本、実に軽く、実に飛び飛び、まさにコイズミキャラをうまく活かしたようなコピーになっていて、読み飛ばせる。が、そこはさすが、脚注が大変うまく丁寧に仕上がっていて、編集者の力を誉めてあげたい。余談だが、筆者インタビューを通してこの本を紹介したい、と取材を申し込んだら、いともあっさり、ダメ!
 

二人は若い

2008-05-29 木曜日

この二人、57歳と58歳なんだけど、やることが若いですね。

押し入れの中に、見ず知らずの女が住み着いていた!? 福岡県警粕屋署は28日、同県志免町の男性(57)宅に忍び込んだとして、住居侵入の現行犯として住所不定、無職堀川タツ子容疑者(58)を逮捕した。押し入れ内の天袋にマットレスを持ち込み、生活までしていたという。
同署によると、男性は1人暮らし。以前から家の食べ物がたびたびなくなることを不審に思い、人影に反応すると画像が携帯電話にメールで送られる仕組みの警報装置と監視カメラを室内に設置。この日午後2時すぎに外出すると、十数分後に不審者が写った画像を受信した。男性の110番通報で署員が駆け付け、天袋に隠れていた堀川容疑者を発見。午後3時10分ごろ現行犯として逮捕したという。いつから、なぜ住み始めたのか調べている。

知らない女、天袋に住み着く!? 住居侵入容疑で逮捕 粕屋署 / 西日本新聞

演歌というタコツボ

2008-05-20 火曜日

前から思ってたことなので、どこかよそでも書いてるはずですが・・・

青江三奈が死んだとき (2000年)、 テレビで彼女のヒット曲を時代順に流しているのを見て、 というか聴いて、 なるほどなあ、 三奈ちゃんでさえそうだったのか。 時代が下るにつれて彼女の唱法が演歌度を加えてゆき、 歌謡曲界の流れをコンパクトにまとめて見せてくれたようなメドレーでした。
歌謡曲の凋落は、 ド演歌化にあり。 80年代、 90年代というのは、 歌謡曲の歌い手がド演歌のタコツボにはまって、 歌の世界を貧しくしてしまった時代ですが、 青江三奈もその流れの中にいたんだと知って、うら悲しいものがあったわけです。

最近 yansu さんが某メーリングリストで紹介していた美空ひばりの 「悲しき口笛」 を聴いて、 やはり同じことを思いました。

こちらが、 ひばりデビュー当時のもの。
You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

こちらが円熟期の 「悲しき口笛」。
You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

(追記。 上のビデオがここでは聴けなくなりました。  YouTube でどうぞ。)

あとのほうが、 ねっとり演歌っぽくなってますね。 むしろこの曲なんかは、 粘っこさをそぎ落として、 もっと小ぎれいに、 もっとポップに、 都会っぽく仕上げて行っても良かったのではないかという気がするのですが、 ひばりが選んだ方向は逆でした。
円熟期といっても67年のものなので、 ひばりはまだ30歳前後ですが、 彼女はこのころから 「歌唱力のある歌手」 という売りを前面に押し出すようになっています。 歌のうまさを見せつける歌い方って、 聴き手の側からいえば嫌らしいものですが、 歌う側は気持ちがいいのでしょう。 この気持ちの良さが、 歌謡曲をだめにしてしまった一因ではないか。 というのも、 演歌は高度な表現力を求められる音楽でして、 ウナリとかコブシとか、 見せどころ、工夫のしどころがたくさんあって、 その工夫がうまく行ったときの「快感」 が、 多くの歌手を演歌的な表現に向かわせた要因だったろうと思うのです。 客を楽しませる歌唱から、 自分が楽しんでしまう歌唱へとでもいいましょうか。

歌謡曲が演歌・ド演歌に収斂していったもう一つの要因が、 「演歌は日本人の心だ」 といった言説でしょう。 今でこそセレブといえばまず芸能人を思ってしまうくらい芸能人の社会的地位が高くなってますが、 基本的には芸能は下賎ななりわいであって、 そういう立場にあれば、 「あんた、 日本人の心を歌ってるんだねえ」 と言われて、 つい嬉しくなってしまうことはある。 まったくの的外れな評価ではないにしても、 うっかり誉め言葉に乗ってしまったのが歌謡曲の不幸だったと私は思ってます。 晩年のひばりは、 自分のことを演歌歌手と称してました。 ジャズから江戸の小唄まで、 オールマイティの歌い手だったのにね。 彼女もまた、 「日本人の心」 なんていう甘言にはまって、 表現の幅を狭めてしまった一人なのだと思います。

自分のことを言えば、 演歌者です。 なにを歌ってもコブシが入っちゃうのが自分の歌い方のデフォルトだし、 北島三郎や都はるみが好きだし、 日本の歌謡史に太字で書かれるべき超一流歌手だったと思うし、 サブちゃんやはるみの歌を歌うのが好きだし、 歌ってて気持ち良いし、 ではあるんですが、 だからといって、 歌の世界がド演歌ばかりでは面白いわけがない。 歌謡曲が落ちぶれたのも当然だったのではないか。 というわけで、 今さらいってもなあ感いっぱいの80・90年代歌謡小史でした。 おつきあいありがとうございます。

アメリカのTVドラマ5~60年代

2008-05-13 火曜日

rawhide.jpg50年の終わりカラ60年にかけて日本にもテレビが普及して、その頃はドラマを作るよりアメリカからTV連続ドラマを買ったほうが安かったらしくたくさんのドラマが日本に到着した。

ローハイド、ボナンザ、怪傑・ゾロ、Sunset 77、ハワイアン・アイ、ホームドラマのニューヨーク・パパ、少し後にはタイト・ロープ、逃亡者、それゆけスマート・・・などなど

ローハイドには後年、大スターになっていったクリントイーストウッドも若手で出ていた。ちょっとにやけた役どころで・・・現在のシリアスな映画監督からは想像できないイメージだった。

どのドラマもそれぞれテーマ・ソングがあり、ほとんどヒットした。どの曲もプロジューサーやアレンジャーがたくさんのアイデアを盛り込んで、この頃こそ「ドラマのテーマ・ソング・花盛り」だったのではないか。
ストーりーは今見るとものたりないというか単純だし、セットもちゃちだが、歌は今聞いても新鮮だと思う。また当時の生活が蘇ってなつかしい。

その中でも「ローハイド」の曲は傑出していたと思う。
歌手はフランキー レーン。昨年の2月7日、惜しくも93才で他界された。
パンチを聞かせた歌い方。プレスリー以前に、ジャズ、カントリーなどをブレンドした草分け的なロック歌手だった。
“That Lucky Old Sun,” “Mule Train,” “Cool Water,” “IBelieve,” “Granada” and “Moonlight Gambler,” などなど。

歌の合いの手に、鞭の音が入り、こういうのってとても新鮮だった。 ♪ローハーイ ピシ!! などとカバンを叩いて唄った記憶がある。

レコード大賞と縁の切れた年

2008-05-04 日曜日

私は日本レコード大賞の受賞曲を、第1回から聴いてきた世代です。

第1回の受賞曲である水原弘の「黒い花びら」のことは、学校でクラスメートから聞いて知ったのですが、まあ同時的体験と言っていいでしょう。その後も、新聞やラジオ・テレビの中継で同時代的に大賞曲をフォローしてきたわけですが、では、いつからレコード大賞に関心をなくしたのか。

>> 日本レコード大賞 - Wikipedia

これで見ると、中森明菜の「 ミ・アモーレ」が受賞した84年からですね。私は明菜のデビューを知りませんでした。名前を知ってからも、ずいぶん長い間、明菜の顔も曲もしりませんでした。つまり、それまではほそぼそ聴き続けてきたにしても、84年を境に、まったく歌謡曲やポップスを聴かなくなったわけです。もろに、あまりに、あからさまで笑ってしまったのですが、受賞曲の傾向がこの年で基本的に演歌系からポップス系へとぴったり切り替わってます。

ひとつ発見がありました。山口百恵はレコード大賞を取ってないんですね。