「歌の景色」カテゴリーの記事

こんな風景に思いだされる歌

2008-04-24 木曜日

kuratake.jpg

 先日、高尾から一時間ほどの中央線沿線にある、山梨県の倉岳山というところに登りました。富士山の鑑賞ポイントとしても知られる山で、わずか990mほどの山でしたが、なかなかどうして、登山道の風情もあり、渓谷沿いに栃の巨木ありで、登り甲斐がありました。
 写真は、その頂上の、富士山の反対側から望める風景。桂川を中心にした村落と中央高速や甲州街道の山間の風景が、ご覧のようにまるで書き割りのよう、実にしっとりとして良い眺めでした。ここに立った瞬間にぴったり、三木露風の詩が浮かんできました。

 ふるさとの 小野の木立に 笛の音の うるむ月夜や

 おとめごは あつき心に そをば聞き 涙流しぬ
 
 ととせ経ぬ おなじ心に きみ泣くや 母となりても
 
ごぞんじ「廃園」という詩集にある「ふるさとの」で、これに短い曲がつけられ、歌となっています。その歌がまた実に、とても、しっとりして良い歌なのです。その歌は、高校時代に母親から教えてもらいました。詩にある「小野」とは、三木の出身地である兵庫県の山里のようですが、こんな風景を見ると、まるで自分がこの詩の作者にでもなった気分で、笛を聴かせたくもなろうというもの。
ある意味では田舎のごくありふれた風景なんでしょうが、何か浮かんでくる歌なぞあるでしょうか?