- 24
- 11月
今日は本の紹介。 Map さんの遠藤実記事でも名前の上がっている 「からたち日記」 (作詞は西沢爽)について、 橋本治がこんなふうに言ってます。
「片想い」 がつらいというのは、 恋を知ってしまった大人の発想で、 恋を知らない少女にとって、 これは 「美しいもの」 なんですね。 「恋」 というものは、 「激しい」 以前に美しいものだった。 『からたち日記』 に 「男と女の愛のあり方」 を探るのは無粋というもので、 一番重要なことは、 「恋って美しい」 「恋愛ってきれい」 ということなんですね。 そっと口の中で言ってみればいいんです ―― 「幸せになろうね、 あの人はいいました」 と。
これで胸が一杯にならなかったら、 人間おしまいなんじゃないでしょうか?
人生、 つまんなくありません? これで胸が一杯にならなかったら、 あなたはまだ、 「恋」 とは無縁の人間なんですよ。
熱いねえ、 「 これで胸が一杯にならなかったら、 人間おしまいなんじゃないでしょうか?」 。 橋本治の 『恋の花詞集 ―― 歌謡曲が輝いていた時』、 いい本です。 明治の 「青葉茂れる桜井の」 から70年代までの64曲、 例の饒舌で歌謡曲への愛を語りまくってます。 オリジナルは1990年、 その後ちくま文庫に入りましたが、 今は切れているようです。 古本屋などで見かけたら、 ぜひとお勧めしておきます。

2007-11-26 at 04:23
人間おしまい・・かもしれない。胸いっぱいになれましぇ~ん。
でも「恋って美しい」 「恋愛ってきれい」っていう視点は大切に考えたいと思います。
歌って何度もうたっているうちにそういう気分がわかってくるものだと思う。
だから「わかれるからお金をください」なんていう歌(誰だっけ、ゲイの歌手)ああいう歌は何度もうたわないほうがいいと思います。
からたち日記みたいな歌なら何度でもうたいたいな~
歌っているうちに「恋って美しい」っていう気分が大きくなって行くと思う。
これが歌謡曲の魔法で、歌は世につれ、世は歌につれ・・・
今、連続ドラマ湯布院を舞台にした「風の・・・」由布岳の声が中村めいこを見ています。
あの主題歌がとっても好きです。これも恋って美しい。人は信じられる・・というテーマが底辺にあると思います。
まだ人間でいられるかもしれない・・・
2007-12-04 at 11:15
島倉千代子の『からたち日記』は名曲・絶唱です。
学生の頃によく酒席で歌い、「幸せになろうね、あの人は言いました」って
あのセリフを言い競いました。
橋本治のようにストレートなベクトルで語っちまうとかなり気恥ずかしいが、
ある時代、まあ“不幸になりたがるような時代”がそれぞれにあったと思う。
そのときにそれへの韜晦のように、歌ったものです。
でも彼のその本は面白そう。いつかりあるみーちんぐでもあったら
ぜひ貸してたもれ。
ぽちも最近読んだ歌関係の本では、
長田暁二さんの『歌でつづる20世紀~あの歌が流れていた頃』(ヤマハ刊)。
この長田さんって、昨年頃にさるサイトでインタビューさせてもらったんだが、
1930年生まれの音楽プルデューサーのおじいさんで
いわゆる“抒情歌”というコンセプトを作った人なのだ。
世とともに流れた歌の100曲をとりあげて、
その時代の背景をさりげなく語っている。
こういうのはこの人でないと絶対に語れない。
インタビューした時には、決して郷愁からでなく
単にタブーにもしない、反戦思想から軍歌集をきちっと作るのが
ライフワークです!と
淡々を語ってくれたのが印象的だった。
2007-12-04 at 11:34
そうそう、島倉千代子の本だけど、
日経新聞の政治記者で今はテレビの夜の報道番組によく出ている
田勢康弘さんが書いた
『島倉千代子という人生』はなかなかいい。
彼は高校時代から島倉に憧れていたのだが、
その惚れに惚れぬいた島倉の
まさに艱難辛苦の人生と彼女の歌世界とを描いている評伝。
幸せになろうね あの人は言いました
こういう歌詞は彼女でなければ、やはり言えないのです。
僕らは諧謔でしか言えない。
彼女の『人生いろいろ』なんか、
諧謔を離れてひっそりひとりで聴くと、
なんど聴いてもじんときますね。
2007-12-09 at 20:25
古本屋に注文しておいた本が届いた。
DJ氏推奨の「恋の花詞集」橋本治
ざっと捲ってみたところ、歌謡曲にも日本伝統の本歌取りが行われている
と言っている。
灰田勝彦「鈴懸けの道」はペギー葉山「学生時代」の本歌
件の島倉千代子「からたち日記」は北原白秋の書いた「からたちの花」からの
本歌取り。
都はるみの「アンコ椿は恋の花」は石本美由紀作詞「東京の人よさようなら」
から。
といった具合で、往年のヒット曲の焼き直し、見事に2匹目の泥鰌がいました
といったところか。なんとなく引っかかていたモヤモヤに
いきなり結論を突きつけらた。
2007-12-09 at 23:29
やっ、手に入れましたか。
いい本だったでしょ(←押し付けてる)
50年代、60年代の作詞家って、明治末期から大正時代の詩人に
学んでますよね。裕次郎の「錆びたナイフ」(萩原四朗)が、石川啄木の
いたく錆びしピストル出でぬ
砂山の
砂を指もて掘りてありしに
だったり。ほかにも、北原白秋、萩原朔太郎、西条八十など。
もっとも西条八十は70年没だから、まだ現役ですが。
2007-12-09 at 23:31
そうそう、田勢康弘 『島倉千代子という人生』 も
愛の本でしたね。 雑誌連載中から読んでいて、
本になってからまた読みました。